カードをプレイ後、「それなんですか」と聞かれる喜び

レガシーをやってる人なら、少なからずあるでしょう。「え、それ強っ」となればなおよし。既存のデッキに新しい閃きを組み込むもよし、全くマッサラな状態からデッキを組むもよし。マイナーながらにディープなファンがいるデッキに身を捧げるもよし、不可能と思えることにチャレンジしてもよし。カードプールがただただ広いレガシーには、無限の可能性が寝転がっているでしょう。



Mission.1

《Lich》


　リッチは、どマイナーながらもこれいいぜ～と言いながら回すのが好きな人が存在しているデッキでしょう。おそらくは。あくまで暫定としているのは、自分の知っている限り、俺とDeckcheckに取り上げられてる人と、俺のデッキを回した社長しか知らないからです。アリーナのデッキレンタルに出すぜ、と意気込んでも誰もイイ顔をしてくれません。まぁそれが逆説的にイイ顔なんですが。さてさて、《Lich》とはなんぞや。


Lich (黒)(黒)(黒)(黒)
エンチャント
Lichが戦場に出るに際し、あなたのライフの総量は０になる。
あなたは、ライフが０点以下であることでゲームに敗北しない。
あなたがライフを得る場合、代わりに同じ枚数のカードを引く。
あなたにダメージが与えられるたび、同じ数のパーマネントを生け贄に捧げる。
Lichが戦場を離れたとき、あなたはゲームに敗北する。


　すごいことが書いてあります。αのカードにして、いきなりのルール破壊。ライフ０でもなんともないぜ。このカードは実際、自分のライフを０にするという能力を生かして、Mirror Universeとのコンボに使われたという実績もありますが、大抵の人はそんなこと知らないでしょう。当時レジェンドが売れた理由がマルチとか伝説クリーチャーとかではなくこのミラーとLichでコンボしたくてみんながはしゃぎたおしたからだという話もあります。そのせいか、今でもミラーは貧乏プレイヤーには高嶺の花ですね。その2枚が運命的な出会いを経てから15年近く経った後、《Lich’s　Mirror》という両者の深い絆を形にしたような名前のカードが誕生したのは、マジックの歴史が背景に潜んでいるようで感慨深いものがありますね。偶然にしては美しすぎる。


　と、余談が続いてしまいましたが、実際Mirror Universeと同じく、Lich自体も高価かつ出回ってる数が少なくて、自分のような貧乏人には手が届かないカードです。こんなに好きなのに、届かない思いもあるものです。しかし、Lichの後継者として現われたとあるカードのお陰でその問題は解決します。



　Nefarious Lich / 極悪な死 (黒)(黒)(黒)(黒)
エンチャント
あなたにダメージが与えられる場合、代わりにあなたの墓地にあるカードをそのダメージと同じ枚数だけ追放する。できない場合、あなたはこのゲームに敗北する。
あなたがライフを得る場合、代わりにそのライフと同じ枚数のカードを引く。
極悪な死が戦場を離れたとき、あなたはこのゲームに敗北する。



　オデッセイにて、墓地参照という形でリメイクされたLich、極悪な死。その存在を知ったの時、衝撃を受けたものです。むっさ弱いやん、と。解呪一発で俺負けかよと。しかしブースターを剥いている内に、自然と集まってしまったクソレア。どうしたもんか…


Confessor / 聴罪司祭 (白)
クリーチャー — 人間(Human) クレリック(Cleric)
プレイヤーがカードを１枚捨てるたび、あなたは１点のライフを得てもよい。

1/1


　オデッセイのコモンです。構築レベルのカードではないでしょう。しかし…このカードと極悪リッチの可能性…野生の雑種犬を無限パンプ？いやいやここは舞台をエクテンに移そう。



　Skirge Familiar / スカージの使い魔 (４)(黒)
クリーチャー — インプ(Imp)
飛行
カードを１枚捨てる：あなたのマナ・プールに(黒)を加える。

3/2
　　　

ヨーグモスバーゲン禁止やけど、ピットサイクルの復活や～。






弱すぎワロタ。3枚ならべる前に3回死ねるわ。治癒の軟膏がアンリコになっても勝てないんだぜ…







　こうして時は過ぎ。カードプールはより増長し。ついにLichは手に入れる。



　Nourishing Shoal / 滋養の群れ (Ｘ)(緑)(緑)
インスタント — 秘儀(Arcane)
あなたは、滋養の群れのマナ・コストを支払うのではなく、あなたの手札にある、点数で見たマナ・コストがＸである緑のカードを１枚、追放することを選んでもよい。
あなたはＸ点のライフを得る。



　Autochthon Wurm / 土着のワーム (１０)(緑)(緑)(緑)(白)(白)
クリーチャー — ワーム(Wurm)
召集（この呪文を唱えるに際しあなたがタップしたクリーチャー１体につき、この呪文のコストは(１)かそのクリーチャーの色のマナ１点だけ少なくなる。）
トランプル

9/14



　ピッチによる15枚ドロー。ANTでもあんまり15枚も引かんというのに。コイツぁ人を殺す気満々じゃねぇか。フィニッシュはいろいろあるだろうが、鉄板はコイツだろう。





　Sickening Dreams / 不快な夢 (１)(黒)
ソーサリー
不快な夢を唱えるための追加コストとして、カードをＸ枚捨てる。
不快な夢は、各クリーチャーと各プレイヤーにそれぞれＸ点のダメージを与える。




　俺だけ極悪な死で軽減されて死にません！死にませ～んッ！屈辱だろう、コンボ始動からフィニッシュまでを50円ストレージで済まされるのは？この構成考え付いたDeckcheckに掲載されてるレシピ発案者は天才過ぎるだろう…






　そしてカードプールはさらに増長し。プレイヤー達はむかつきを手に入れた。以上。




　　
　安定性とかいろんな面から、そらアドに勝てるわきゃねぇっす。コンボ決まったどうじゃ～→レスポンスクローサングリップでLich割られてうぼぁーとか。勝ちたいなら秒でANTに行きなさい。ウソは言ってない。



　ただ、実際にワーム食って１５ドローしてみたくないかね？したいよね、したいだろう？ということで、自分なりに調整してみる。元祖は草茂る屋敷とか入ってるRockカラーだったが、俺は赤黒で。バーニングウィッシュはやりおるぜ。この際、デスウィッシュも入れてしまえ。ライフ半分なったところでなんも変らんて。負ける時は負けるんや。ウィッシュがあるならテンドリルもサイドにね。完成。



　で、我らが社長が実戦の場、おかわりレガシーに殴りこんでくれることに。出るからには優勝だぜ。





　で、ドラストを前にして華麗にワーム食い放題ドロー祭を開始する社長。さすがは地雷王だぜ！チャリス１・２が出てて相当苦しそうだが、そこはそれデスウィッシュ。これで勝ち手段サイドから持ってきて撃てるぜ！決めるんだ社長！




　ストーム稼ぎまくったテンドリルが吼えた～やったぜ社長！！！！







　いや、ちょっと待て。






Nefarious Lich / 極悪な死 (黒)(黒)(黒)(黒)
エンチャント
あなたにダメージが与えられる場合、代わりにあなたの墓地にあるカードをそのダメージと同じ枚数だけ追放する。できない場合、あなたはこのゲームに敗北する。
あなたがライフを得る場合、代わりにそのライフと同じ枚数のカードを引く。
極悪な死が戦場を離れたとき、あなたはこのゲームに敗北する。

　



あなたにダメージが与えられる場合、代わりにあなたの墓地にあるカードをそのダメージと同じ枚数だけ追放する。できない場合、あなたはこのゲームに敗北する。
あなたがライフを得る場合、代わりにそのライフと同じ枚数のカードを引く。
極悪な死が戦場を離れたとき、あなたはこのゲームに敗北する。








あなたがライフを得る場合、代わりにそのライフと同じ枚数のカードを引く。






ダメだ社長！ライブラリーはワームさんにほおばられちゃってもう残ってないよ！３０枚ドローとかしたら死んじゃう、テンドリルやめて止まってぇぇぇぇ！






完。





Next Mission...



Krark’s Thumb